閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2017-12-07から1日間の記事一覧

026 懊悩とは別

建物の姿は植物と共にあるとか何とか、さういふ意味のことを谷崎潤一郎が『陰影礼讚』で書いてゐた記憶がある。幹や葉の姿や蔭、庇の形に壁の色といつた要件をひとつに捉へたから、かういふすすどい見立てが出來るわけで、こちらとしては大谷崎は凄いなあと…