閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

060 不精者の正方形

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 [閑文字手帖]での画像は

①“本の話”ではカラー。

②それ以外はモノクローム

が原則。正方形にトリミングして…その必要がある場合は…使ふ。理由はごく単純に、樂だからのひと言に尽きる。

 「それは、をかしい」

と論難するひとが出てきさうな気がする。

「カラーかモノクロームか、正方形かさうでないか、さうでない場合は縦横をどうするか、それらは表現の(大事な)要素ぢやあないか」

 云はんとするところは、判らなくもない。判らなくもないけれど、冩眞はそれ自体は表現ではないし、表現になりもしないんですよと小聲で再反論しておかう。突つ込むと長くなる話なので、この稿でこれ以上は控へますが。

 繰返すとわたしが画像を正方形で扱ふのは樂だからで、それより先の理由はない。そんなら何故それより先の理由はないかと云ふ話になつて、[閑文字手帖]では文章の藝…成功か失敗かは別として…を優先してゐるからですよと応じたい。画像は(“本の話”は文字通り本の紹介だから別枠)あくまでも添へもの。文章に関係はあるけれど、なくたつて(ほぼ)成り立つ筈である。

 詰り…些か露惡的に云ふと、縦横の比率や方向、色味を考へるのが面倒なんです。モノクロームの正方形なら、たとへば今回の画像のやうに、何となく尤もらしい。少なくともそのふりが出來るでせう。便利ではありませんか。首を捻るひとはご自身で眞摯に冩眞を撮り、或は公になされば宜しいんです。その方法を否定はしない代り、[閑文字手帖]ではさうしないだけの話。

 と、えらさうに云つてはみたが、實態としては如何にして手を抜く…いやいや、樂をするかの結果がこれなので、決して自慢出來るものではない。不精者の正方形に惑はされぬ様、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にはご用心召されたい。