閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2026-01-01から1年間の記事一覧

1430 ササヲタベル

何の小説だつたか、主人公に“酒を呑みたい”ことを、“酒…ルビはササ…を食べたい”と云はせるくだりがあり、えらく感心した。感心した理由までは、よく判らない。その小説は豊臣政権の末期が舞台。どうやら当時の酒は“ササ”と呼ばれ、また呑むのではなく、“食べ…

1429 理由ある物慾

製造開始は1967年。 初年の製造番號は1175001から1185000にかけて。 ※内百台はライツ・カナダ製。 ※但しこの番號帯は、“型と製造番號の予定表”に基づくから、事實と異る可能性は十分に考へられる。 ライカM4である。 現代のライカに續く源流…といふか、直接…

1428 即刻ニ、去レ

來る令和九年、十干十二支が巡る齢になる私だから、もう老人を称しても許されると思ふ。齢を経たことを自慢出來るの…加算は勝手に進むのに…は、腹の底のどこかに、儒教的な観念が潜んでゐる所為だらう。孔子さまには、恩も義理も無い筈なんだけれどなあ。 ま…

1427 使ひ分け

一年前から、日記を書いてゐる。 書いてゐると云つたつて、その日の天気と、何を食べたかと、買ものに幾ら遣つたか、くらゐ。ちよつとした記録みたいなものだから、たれだつて出來る。 卅年余前にも、書いてゐた。その時は日々の愚痴を記した筈だが、確かめ…

1426 百人隊の隊長に

前回はどうも、ふはふはしたまま、終つてしまつた。苦手を書かうとするのは、無理が大きいらしい。このままでは落ちつかないし、尻の坐りも惡い。なので今回は好意を抱ける人物を取りあげる。即ちガイウス・ユリウス・カエサル。 英語讀みならシーザー。シェ…

1425 面倒な天下人

日本史を振り返つた時、能力や實績を評価は吝かでないにしても、好感を持てない人物が何人か、ゐる。 たとへば源頼朝。 たとへば足利尊氏。 それから徳川家康。 何故と云はれたつて、好惡に属することだもの、説明は六つかしい。敢て云へば、私のとほい御先…

1424 年表

歴史的な何事かを調べ、或は考へる際には、年表を眺めることが多い。その背景を摑みたいのが主な理由。まあ当り前であつて、だからこの稿では、主ではない方の理由に触れてゆかうと思ふ。それで話は、具体的に進める方が、よささうでもある。ここでは私が大…

1423 調べない

令和のインターネットはたいへん便利だから、判らないと思つたことは、直ぐに調べられる。スマートフォンが手元にあれば、場所を撰ばずにも済む。尤も大半は一次資料ではない。従つて調べた結果の信憑性には、疑念が残り、叉それにも関らず、結果を正しいと…

1422 按配

この手帖の更新は(多少の例外は含みつつ)、毎週の月水金曜日、正午としてゐる。我が聡明な讀者諸嬢諸氏には既にお察しのとほり、その更新は“はてなブログ”の予約投稿機能を使つてゐる。實際この稿も、書き始めたのは水無月の中頃。さうでもしなくちやあ、週…

1421 胸痛碌(14)VAPING

令和八年も半分が終る。 今年が明けてからこつち、あれこれ慌しくつて、我が胸の具合まで、気を配る余裕は殆ど、なかつた。まあ裏を返すなら、それで済む程度に、調子は安定してゐると考へられる。 併し変らぬ問題は烟草である。 まだ詰らん愚痴を云ふのか、…

1420 変換と推敲

カップ麺の元祖が、日清のカップヌードルなのは、今さら云ふまでもない。 發賣は昭和四十六年。 その五年前、米國にチキンラーメンを賣りこまうとした安藤百福が、あつちには丼が無ければ、お箸も無いと気がついて、開發に臨んだといふ。 何とか發賣に漕ぎつ…

1419 雨と酒

雨の日は、好きになれない。 かうかき出すと、出來損つたニュー・ミュージックの歌詞のやうだと笑はれさうだが、好ききらひの話だからね、仕方がない。雨の日を喜ぶひとは、寧ろゐるのか知らと居直りたくもなつてくる。 但し。家(叉はホテル)に籠つてゐる時…

1418 兎に角焼けば旨くなる

この手帖で前回、白茄子の串焼きの画像を見てもらつた。茄子獨特のやはらかな果肉に、あしらつたたれが、實にうまかつた。時節ゆゑ、いつまで食べられるか、判らないのが、残念でならない。 併しひとつ、気になるのは、何故“白茄子を焼かう”と思つたのかとい…

1417 ぶれ

画像はある晩、ある気に入りの串焼き屋で出してくれた最初の一本。實にうまかつた。うまかつたけれど、いつもよりほんの少し、塩がきつい気がした。お店の名誉の為に念を押すと、まづいと云ふのではない。それに私の舌である、信憑性に疑義が生じても、当然…

1416 眞顔の三点セット

麦酒。 日本酒(但しお燗は珍しい) ハイボール。 焼酎ハイ ※檸檬やグレープフルーツ、バイスの果物系。 ※緑茶や抹茶、烏龍茶、或は紅茶のお茶系。 時にホッピー(黑を置いてあるところは少い)や、(黑糖)焼酎、泡盛、稀にヰスキィや葡萄酒も目にする。呑み屋の…

1415 想像上の冷し中華

冷し中華が、好物なんである。 具は細切りの玉子焼きと胡瓜、煮豚、紅生姜。練り辛子があれば、なほ好もしい。うでた海老やもやし、マヨネィーズ(東海人は求めるさうだが)は要らない。たれ…それともソップ?つゆ?…は勿論、醤油を基にした酸つぱいやつで、お…

1414 實験

先日、都内の某所で麦酒祭があつた。足を運ばない理由は無い。だから行つた。ニューナンブの頴娃君も、やつてきた。腰のかるい男である。 先づは鶏の唐揚げを摘みに、勝沼の醸造所がつくつたIPAから。暑い中ではあつたけれど、麦酒と唐揚げの組合せは、私を…

1413 おかいサン

ここ暫く、湯煎するお粥を食べる頻度が、高くなつてゐる。梅とか卵とか何とかある中、私が好むのは何にもなしの白粥。 尊敬する檀一雄が、草野心平に教はつたといふ“心平ガユ”の作り方を紹介してゐた。お米とお水を同量。そこに胡麻油を加へ、とろとろ炊くの…

1412 枝豆問題

暑い季節が近づくと、枝豆を慾する気持ちが、高まつてくる。JAの解説によると [大豆が熟す前の未熟果が「エダマメ」です。“畑の肉”といわれるほど高い栄養価が特徴] なのださうで、肉呼ばはりは名誉なのか、どうか。その辺の判断は、枝豆農家の諸嬢諸氏に任…

1411 夏麦酒の友

尊敬する内田百閒は、冬の麦酒を好んだ。 “味が締つてゐる”といふ理由。 冷藏技術の要因はあつたとして、夏の麦酒は確かに、油断すると直ぐ、温まつてまづくなる。この場合、小さなコップに注いで、一口二口で呑みほし、椀子蕎麦のやうに干し續けるのが、も…

1410 緩やかに変る

お酒…ここでは酒精全般の意味で使ふ…の好みが、変つてきた。簡単に云へば、(所謂)濃いのが、どうも受け容れにくくなつて、我ながら齢を重ねたものだなあと、嘆息せざるを得ない。 呑まないのでは勿論、ない。併し少量を含めば、十分に感じてしまふ。たとへば…

1409 小さくて特異な獨立圏

ニコンEМといふ機種があつた。 發賣は昭和五十五年。 通称はリトルニコン。 その四年前に、ペンタックスが出したMEが端緒となつた、絞り優先自動露光専用機の流行を受け、ニコンが重い腰を(やうやく)上げたのが、この機種と私は見てゐる。あの會社は、流行の…

1408 和解

和解出來てゐない。 だから画像は無い。 コロッケ蕎麦の話である。 たれの本で讀んだか、明治期の東都は高田馬場生れらしい。西洋料理に押された蕎麦屋が、苦肉の策で作つたのが、近辺の學生にうけたといふが、本当か知ら。さう云へば齋藤緑雨といふ畸人が、…

1407 野菜を串で

ここ暫く、気に入つた呑み屋がある。焼き鳥の店。小さいけれど、人気らしい。時間帯によつては、入れないこともある。だから場所も名前も云はない。客あしらひが上手で、そのお客も愉快なひとが多い。何より焼き鳥が旨く、そんなに高くもつかないのが嬉しい…

1406 動く裸体

わかい頃は、エロに触れる機會が、實に少かつた。ここで云ふ“(私の)わかい頃”は、昭和の末期から平成の初期にかけて。大半…訂正、殆どの讀者諸嬢諸氏は、生れてゐないか、精々物心のつく前だつたにちがひない。古老の気分は、快いなあ。 DVDは勿論、インター…

1405 男色小考

不許葷酒入山門といふ言葉がある。 葷酒山門ニ入ルヲ許サズ。 韮、葱、大蒜の類と酒は、山門に入つてはいけない、の意。山門はお寺を指す。こんな七文字をわざわざ作つたのだから、詰りさういふことだつたのだなと思ふ。 さういふこととは、同性愛(ことに男…

1404 言葉の遣ひ方

ふと思ひついて、玩具デジタルカメラを贖つた。 衝動買ひではあるんだが、三千円くらゐだつたから、大した金額ではない。 複数の色がある中、橙いろ…いやオレンジいろと云ふべきか知ら…を、何となく撰んだ。函を開けたら、背面のディスプレイが可動すると気…

1403 空間

『カエアンの聖衣』といふSFがある、あつた。バリントン・J・ベイリーだつたか。手元に本が無いから(ハヤカワSF文庫と思ふ)、訳者は判らない。調べたら判るんだらうが、さうしたら敗けな気がする。私は何と戰つてゐるのだらう。 曖昧な記憶で書くと、この小…

1402 しらすおろしは、ちよいと面倒

しらす干しとたつぷりの大根おろし。 そこに醤油をひとたらし。 生姜や檸檬があつたら、ちよいと加へるのがいい。 そのままお摘みになるし、ごはんに乗せても旨い。 かういふ小鉢が、呑み屋の品書きにあれば、私はきつと註文する。曇り空の平日の午后、ひと…

1401 本の話〜カルテはまだまだ終らない

『カメラバカにつける薬4』 飯田ともき/インプレス 年に一度の樂み。 カルテ…訂正、漫画を継續して贖ふ習慣を持たない私の、たつたひとつの例外でもある。入手が遅れてしまつたけれど、手元にあるから文句は無い。 デジカメWatchでは毎週の更新ながら、一回…