閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

1408 和解

和解出來てゐない。 だから画像は無い。 コロッケ蕎麦の話である。 たれの本で讀んだか、明治期の東都は高田馬場生れらしい。西洋料理に押された蕎麦屋が、苦肉の策で作つたのが、近辺の學生にうけたといふが、本当か知ら。さう云へば齋藤緑雨といふ畸人が、…

1407 野菜を串で

ここ暫く、気に入つた呑み屋がある。焼き鳥の店。小さいけれど、人気らしい。時間帯によつては、入れないこともある。だから場所も名前も云はない。客あしらひが上手で、そのお客も愉快なひとが多い。何より焼き鳥が旨く、そんなに高くもつかないのが嬉しい…

1406 動く裸体

わかい頃は、エロに触れる機會が、實に少かつた。ここで云ふ“(私の)わかい頃”は、昭和の末期から平成の初期にかけて。大半…訂正、殆どの讀者諸嬢諸氏は、生れてゐないか、精々物心のつく前だつたにちがひない。古老の気分は、快いなあ。 DVDは勿論、インター…

1405 男色小考

不許葷酒入山門といふ言葉がある。 葷酒山門ニ入ルヲ許サズ。 韮、葱、大蒜の類と酒は、山門に入つてはいけない、の意。山門はお寺を指す。こんな七文字をわざわざ作つたのだから、詰りさういふことだつたのだなと思ふ。 さういふこととは、同性愛(ことに男…

1404 言葉の遣ひ方

ふと思ひついて、玩具デジタルカメラを贖つた。 衝動買ひではあるんだが、三千円くらゐだつたから、大した金額ではない。 複数の色がある中、橙いろ…いやオレンジいろと云ふべきか知ら…を、何となく撰んだ。函を開けたら、背面のディスプレイが可動すると気…

1403 空間

『カエアンの聖衣』といふSFがある、あつた。バリントン・J・ベイリーだつたか。手元に本が無いから(ハヤカワSF文庫と思ふ)、訳者は判らない。調べたら判るんだらうが、さうしたら敗けな気がする。私は何と戰つてゐるのだらう。 曖昧な記憶で書くと、この小…

1402 しらすおろしは、ちよいと面倒

しらす干しとたつぷりの大根おろし。 そこに醤油をひとたらし。 生姜や檸檬があつたら、ちよいと加へるのがいい。 そのままお摘みになるし、ごはんに乗せても旨い。 かういふ小鉢が、呑み屋の品書きにあれば、私はきつと註文する。曇り空の平日の午后、ひと…

1401 本の話〜カルテはまだまだ終らない

『カメラバカにつける薬4』 飯田ともき/インプレス 年に一度の樂み。 カルテ…訂正、漫画を継續して贖ふ習慣を持たない私の、たつたひとつの例外でもある。入手が遅れてしまつたけれど、手元にあるから文句は無い。 デジカメWatchでは毎週の更新ながら、一回…

1400 なぞのひと

この手帖には、“親愛なる讀者諸嬢諸氏”が、屡々登場する。多くのー訂正、殆どの場合、私の見立てに辛辣な指摘や論評をするあの人びと。その讀者諸嬢諸氏とやらに就て、一部では果して實在するのか、との疑念が抱かれてゐるらしい。 率直に云つて、その辺はど…

1399 胸痛碌(13)一年

胸の眞ん中に、堅い護謨の塊を捩ぢこまれるやうな痛みを感じ、のたうちながら救急に助けてもらつた。あれから一年が過ぎ、我が心臓は幸ひ、動き續けてゐる。 父は見送れた。 母も見送らう。 その日まで(辛うじてでも)、動いてくれれば、文句を云ふ筋はなくー…

1398 練り餌

尊敬する内田百閒には、特定の食べものを、日々食べ續ける癖があつた。ある時期には毎日のお晝にもり蕎麦を届けさせたさうで、届けさせ續けた結果、蕎麦屋は必ず正午に、お待ち遠さまと持つてくるに到つたといふから、徹底してゐる。 ここで我われは毎日毎日…

1397曖昧映画館〜友達の家はどこ?

少年には友達がゐる。 ある日、その友達が、宿題を忘れてしまつた。担任の先生は怖い顔を作つて 「今度、宿題を忘れたら、退學だぞ」 さう咤りつける。小學生くらゐの年齢にとつて、こんなに恐ろしい言葉はない。 授業が終つてから、少年は友達を慰め、家に…

1396 あまから

甘酢と聞いたらきつと昂奮する。揚げた白身魚の甘酢あんかけなんて、お皿の姿を見るだけで、お酒がうまくなるでせう。なんだらうね、あの感覚は。 それと同じくらゐ昂奮するのが甘から。甘から炒めとか甘から煮とか。我ながらどうも単純だねえと思ふが、改め…