閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

164 きみ

塩入りの熱湯で烹られ

ひび割れを剥ぎ取られ

醤油と出汁に漬けられ

庖丁でふたつに割られ

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蕩けさうなその黄身の

小皿に曝け出された時

我が指はふるへる箸先

触れる半身は君の柔肌