閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

636 休憩

 歳時記や廿四節気、七十ニ候に目を瞑り、勝手な印象で云へば、新暦の七月に入ると、夏になつたと感じる。八月半ばまで。九月くらゐまでが残暑。

 

 例年、おほむねこの三ヶ月間は、頭が働かなくなる。そんなら残りの九ヶ月間は、頭が働いてゐるのか。そこはまあ別の問題なのだと念を押したい。

 

 麦酒。

 素麺。

 冷奴。

 冷し中華

 

 後は稀に苦瓜のちやんぷるーと黑糖の焼酎があれば、夏の三ヶ月を生き延びることが出來る。

 そんな気がする。

 すりやあまつたく不健康な話だと云はれたら、まつたくその通りで、いや細かいことを云ふと、梅干しをしやぶつたり(一合当りにひと粒かふた粒落とし、生姜と一緒にごはんを炊くもの旨い)、素麺のつゆや冷奴に天かすを足したり、それくらゐはしますよ。だからと云つて、不健康がましになるわけぢやあないんだが。

 

 とは云ふものの…詰り頭が働くかどうか、健康的かさうでないかは兎も角、わたしは食べねばならず、時に呑まねばならぬ。まあ後者には如何なものかとの見方があるやも知れないが、そこの貴女に無理強ひする積りはありませんから、大目に見てもらひたい。

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 さてそれでは一ぱい、やつつけて…夏を生き延びる前の休憩に入るとしませうか。