閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

1317 好きな唄の話〜地獄のズバット

 『快傑ズバット』が近々、DVDだかBlu-rayだか、兎に角さういふ形で纏るといふ。それを記念して、YouTubeで先日、第一話が公開された。期間限定かも知れない。

 いや驚きましたね。丹念にほぐして描けば、二時間にはなる内容が、實質廿分くらゐの本篇に詰めてあつた。

 主役の早川健、即ちズバットを演じたのは宮内洋仮面ライダーV3こと風見志郎であり、アオレンジャーこと新命明でもあつた。

 そのズバットの主題歌がこの唄。

 マイクを取つたのは、水木一郎

 非業の死を遂げた親友の無念を、親友の形見で晴す決意を示す歌詞は、雑と云ひたくなる単純さで、併しその単純さこそ、ズバットの世界なのだから、これ以上に相応しい唄もない。

 時々、バットマン映画のやうに、この世界を再構築してもらへないか、と思ふことがある。主題歌がこの唄なのは勿論。それで直ぐ、まあ無理だなと思ひなほす。

 ハンサムや美男ではなく男前。

 きざなくせに、友情には厚い。

 心優しくて強く、そして熱い。

 さういふ恰好いい名探偵の主人公像を、ひとの形に練りあげれば、それは宮内洋であつて、宮内洋以外のたれにもならない。ズバットのリメイクが不可能な、唯一且つ最大の理由がここにある。