閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

1322 不意のおでん

 不意に思つただけだから。

 

 おでんとおにぎりを組合せた記憶がない。

 串に刺したおでん、おにぎりを二つほど。

 惡くない組合せの筈なのに、何故だらう。

 

 そこにカップ酒があれば、午后のしだらない時間との相性が、よささうに思へる。

 

 お箸を使はず、やつつけられるのが、箸使ひの下手な私にとつて、都合が宜しい。

 

 串に似合ふおでん種と云へば、大根に厚揚げ、結び蒟蒻、牛すぢの辺りだらうか。

 

 おにぎりは佃煮や梅干し、或は海苔巻きくらゐの、ありきたりなやつが好もしい。

 

 何なら、たくわんや干瓢や胡瓜の細巻きも嬉しいが、醤油の二三滴が慾しくなる。

 

 カップ酒を撰んだのは、おでんつゆで割るからで、これは焼酎のカップでもいい。

 

 併しこれは一体、何と見ればいいか知ら。

 食事か酒席か、はたまた大人のおやつか。

 寒風が吹いたらひとつ、試してみませう。

 

 不意に思つただけだつた。