閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

1352 “西へ”持ち帰る一台に就て

 

 “西へ”帰る日、その荷物にカメラが含まれるのは、私にとつてまあ、当然である。實際に撮るかは別として、持つてゐなければ、撮りたいと思つても撮れない。だから持ち帰る。尤も心筋梗塞からこつち、殆ど撮つてゐない…スマートフォンを使つたのは数に含めない…のも一方の事實。陋屋に篭り續けてゐる所為である。

 ここでちよつと屁理窟を捏ねれば、“西へ”帰るのは、陋屋を出る行動である。従つて持ち出した一台を使ふ機會が増える可能性はある。使つたからと云つて、自慢に足る寫眞を得られるとは限らないが、使はなければ得られないのも確かである。とすると、私が“西へ”持ち帰るのは、機械ではなく可能性といふことか。

 今回は、GRⅢに決めてゐる。