閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2019-09-05から1日間の記事一覧

353 文學的なストーヴを

何の本で讀んだか忘れたが、和歌集で夏の部に収められた歌の大半は、涼しげな口調なのだといふ。夜に吹き渡る風が快いとか、池の水面に映つた月の蔭が秋のやうだとかそんなの計りで、筆者はそれを、夏は暑くてうんざりする季節だから、歌で涼を取らうとする…