閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

956 サブカメラ(後)現實的に

さうは云つたつて、GRⅢと(一応は)サブカメラとしてのGRデジタルⅡの併用は、現實的なのかといふ疑問はある。GRⅢはそのまま、GRデジタルⅡには(ワイド・コンヴァータを附けて)、モノクロームのスクウェアを任す形が想定出來て、この二台をどんな風に持ち出せば…

955 サブカメラ(前)空想的な

サブカメラ、と呼ばれるカメラがある、らしい。 どんなカメラがさうなるのかは、よく判らない。 昔は…と遠くを見ても許される程度に、齢を重ねてゐるのですよ、私は…ライカをメインで使ふひとが、偶に撮る望遠や近接の為に、一眼レフを持つことがあつた。或…

954 解決を望…

長年の疑問がある。 解決してゐない。 「カレー・ライスに適ふ酒精は何か」 といふのがその疑問で、いやそこの貴女、笑はれてはこまります。こちらは大眞面目なんですから。 麦酒。 ハイボール。 葡萄酒。 いづれもしつくりこなかつた。何といふか、一体感に欠…

953 遠ざかる

さういへば長いこと、洋食から遠ざかつてゐる。 ハンバーグ。 クリーム・コロッケ。 チキンカツ。 ポーク・ソテー。 烏賊や白身魚、玉葱のフライ。 ビーフ・シチュー。 サウザンアイランド・ドレッシングをたつぷりかけた生野菜に、マッシュしたポテト、ケチ…

952 失敗

二はいくらゐ、さらつと呑んで、帰らう。 と思つたけれど、結果はお察しください。

951 椒

四川料理ときけば、即座にからいと応じたくなる。 花椒と唐辛子。 麻婆豆腐、回鍋肉、青椒肉絲。 我ながら貧弱と嘆きたい聯想だけれど、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏だつて、大して変らないんぢやあなからうか。 もうひとつ、思ふのは冬の食べものの印象なのだ…

950 山門の葷

山門は葷酒が入るのを許さなかつた。 葷は匂ひのきつい野菜…葱や韮、大蒜などの意。 入山が禁じられたのは、曖昧な記憶で云ふと、愛慾を刺戟するとか、そんな理由だつたと思ふ。この場合の愛慾は、性愛に近しい響きを持つ。即ち同性愛。わざわざ入ツテハナラ…

949 令和は平和

今さら云ふのも何だけれど、麦酒はうまい。この時期の陽が落ちる時間帯、恋しくなるのは、一ぱいの冷たい麦酒で、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏にも、同意を得られるでせう。 冷たい麦酒を無闇に有難がるのは、我われの習慣であるらしい。常温が当り前の地域だつ…

948 分量

鮪と小鰭に、冷酒を一ぱい。 すなはち、適切な分量。

947 蔭

これでも會社勤めの身である。 ゆゑに日々、通勤をしてゐる。 その路の端には樹が植はつてゐて、その樹々のつくる蔭が何とも快いのが、不思議である。 理窟で云ふなら、ビルの蔭でも電柱の蔭でも、蔭は蔭だから、入つた時の感覚は同等だと思ふ。 併し樹の蔭…

946 黄いろい瓜

胡瓜とは幼少の頃からお馴染みである。 サラドや塩揉み、酢のものにお漬物で食べてきた。 原産地はインド周辺らしい。 胡ノ瓜の字面で、イランの辺りかと思つてゐた。 日本に傳はつたのは平安の頃といふから、この國でも千年前後の歴史を持つてゐる。 正直な…

945 酸つぱい

『檀流クッキング』は、近代日本の文學が世界に誇つていい名著だと私は信じてゐる。美食といへばフランスにイタリー、それから中華圏だらうが、フランスもイタリーも中華圏も、現在に到るまで檀一雄を得てゐない。 だから日本は凄いと話を進めるのは併し間違…

944 不毛

カメラを上から見て、ほぼ眞ん中にある、四角形の部品をアクセサリ・シューと呼ぶ。形状や大きさは、ライカの原型を作つた、オスカー・バルナックが決めたといふ。元はただの嵌め込み坐だつたが、フラッシュの利用に伴ふ接点だの、電気的な諸々のアクセサリ…

943 用心

我がGRⅢには無く、我がGRデジタルⅡに用意されてゐるアクセサリが、テレコンバージョン・レンズである。型番で云へばGT-1…28ミリを40ミリに変換する。リコーのWebサイトで確めたところ、当時の価格は一万五千円。尤も取り附ける為にはフード&アダプター(GH-1)…

942 鰻だけに

夏と鰻が結びついたのは、土用の丑には鰻召しませ(喰ふべしだつたかも知れない)とか何とか、宣伝の結果らしい。おほむね十八世紀頃の江戸の話。当時、夏の土用丑に"う"のつくもの(たとへば瓜や梅干し)を食べるならはしがあつたさうだから、鰻屋が割り込まう…