閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

1040 相対的

腹身の字を宛てると思つてゐた。 念の為に確めると横隔膜だつた。 間違つてゐた。 牛一頭から取れる量は少いらしい。どの程度の少さかは知らないけれど、私が好んで食べられるのだから、稀少とは呼べまい。肉牛の巨体を思ふに、他の部分に較べたら、相対的に…

1039 それはさうと

それはさうとして私は、スマートフォンでGoogleのカレンダー機能を使つてゐる。併せてColorNoteといふメモ用のアプリケイションも。簡単な予定の管理と、ちよつとした記録程度なら、これらで大体は事が足りる。 中々に宜しい。 便利が褒めすぎなら、不便が少…

1038 表と裏

令和六年の手帖は、高橋書店のフェルテである。月曜日始まりの両面一週間。例年通り、呑み喰ひの記録と、游びの予定を記してゐる。また別枠で一ヶ月単位の予定表が用意されてゐて、そつちには仕事に関聯することを書いてゐる。 「個人と會社は分けなくちやあ…

1037 気に入りで、呑む

GRⅢを私が常用してゐるのは、我が数少い讀者諸嬢諸氏に、御承知のことと思ふ。云ふまでもなく、小振りでかるく、素早く動いてよく冩る。切り替へなしで、寄つて撮れれば、なほいいと思へて…この場で云ふことではなかつた。 もうひとつ、このカメラは酒席に似…

1036 今度はきつと

不注意でカメラを壊した経験が、一度だけある。タキシに乗つた時、膝に置いてゐて、降りる際に滑り落した。間の惡いことに、落ちたのが水溜りだつた。慌てて拾い上げたけれど、残念な結果になつて仕舞つた。今でも覚えてゐる。それはニコンFEで、ニッコール…

1035 買ひそこねたカメラ

リコーのGRデジタルは初代からⅣまであつた。 この四世代は受光素子の大きさで、初代とⅡ、Ⅲ及びⅣに分割出來る。 これまで何度も触れたとほり、私の手元にあるのはGRデジタルⅡで、最初はⅢが出る直前に入手した。Ⅲを見た時、Ⅱに較べると、アクセサリ・シューが…

1034 買ひそびれたカメラ

リコーにGXRといふカメラがあつた。 全体を制禦する本体、受光素子とレンズを組合せたユニットで構成されてゐた。 単焦点が二種。 標準ズームが二種。 高倍率ズームが一種。 レンズと受光素子を一体にすることで、それぞれに最適なチューニングが出來るとか…

1033 小皿の幸福

風がぬるむ候、野菜が美味しくなつてくる。 菜の花を目にすると、先駆け、と呼びたくなる。鮮やかな色みが何とも嬉しい。辛子が効いてゐるのが叉、肴には絶好で、飲み助の幸福はここにあるのだと思はされる。 風ぬるみなば、 春とほからじ。

1032 上野にて

過日、上野の博物館で開催されてゐた和食の展示會に、呑み仲間の女性を誘つて足を運んだ。和食を科學の視点から見てゆきませう、といふ企劃意図。 上野恩賜公園の西郷隆盛像の処で待合せた。旧國鐵の上野驛で降り、ここに來るのは初めてと気が附いた。空は快…

1031 曇

雪の屋根。 重機、電線。 傍らに酒。

1030 敷居の向ふ

きらひではないのに、積極的に食べもしない料理は何ですと聞かれたら、天麩羅と応じる。揚ゲタ食ツタでないと、うまくない。さういふ天麩羅を食べたければ、天麩羅屋にでも足を運ばざるを得ず…屋台賣りの廉な軽食を、御座敷料理まで昇華さしたのは、云ふまで…

1029 そんなら

田辺聖子さんのエセーで讀んだ川柳…だつたと思ふ。 だんだんと そんならの出る おもしろさ 記憶だからどこか、間違つてゐるかも知れないが、そこは気にせずに續けますよ。 川柳の讀み解きほど、詰らないこともない。だけれどこれだけでは、何を詠んでゐて、…

1028 曖昧映画館~マジンガーZ Infinity

記憶に残る映画を記憶のまま、曖昧に書く。 『マジンガーZ』は子供の頃、夢中だつた。ひとが乗つて操縦するのだから、玩具を持つてそれを、ぼくが操つてゐるんだと思ひこめ、それは仮面ライダーやウルトラマンの変身と、一味ちがふ感覚だつた。 そのマジンガ…

1027 唐揚げを、喰はう

呑んでゐる夜、唐揚げを喰はうと思ふことがある。それなりに馴染んだ呑み屋の品書きには、鶏の唐揚げと蛸の唐揚げがあつて、さうですね、七対三くらゐの割りで、蛸を撰ぶことが多い。好みは勿論、胃袋の都合でもある。 尤も仄暖かな夕刻に、空腹を感じる日が…

1026 ウルトラマンブレーザー~感想余話

かれは、何ものだつたんだらう。 全廿五話に及んだ『ウルトラマンブレーザー』を観て、結局さつぱり、解らなかつた。 円谷ステーションから、設定…といふより、紹介の箇所を丸ごとコピーすると https://m-78.jp/character/ultraman_blazar/ 主人公・ヒルマ …

1025 感想文~ウルトラマンブレーザーを観て(後)

残る三話は、散りばめられた伏線を織り上げ、終着点へと辿り着かせる流れなのだが、果して大丈夫だらうか。 不安に駈られる第廿三話、いきなりゲント隊長のからだの調子がをかしく、医務室ではお医者さまに、骨量の減少と筋萎縮が甚だしいぞ、と咜られてゐる…