閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

800 率

八百万とか嘘八百とかで使はれる八百の、その八百といふ数自体に意味はない。数へきれないほど、たくさんなんですよと、さう云つてゐるので、多数を象徴する記號と考へれば宜しい。ぢやあなんでまた八百なのかと思へてくるが、漢字の八は末廣がりで縁起がい…

799 始めるところから始める

翻るとわたしの讀書遍歴は最初で躓いてゐる。母親の影響をまともに受けたのは間違ひなくて、その母親には少女小説好みが色濃かつた。今もさうだと思ふ。併し不思議なくらゐ詩集や歌集とは無縁で目にした記憶がない。古今や新古今は勿論、萩原朔太郎も中原中…

798 遊戯風の贅沢

伊丹十三のエセーで讀んだのは間違ひないが、前後の文脈は忘れて仕舞つた。記憶に残つてゐるのは"ダッグウッド・サンドウィッチ"といふ単語で、三段だか五段だか、兎に角ハムだのやはらかく炒めた玉子だの、トマトにレタースにチーズにベーコンにピックルス……

797 曖昧な焼賣

以前から飽きず書いてゐるのは知つてゐる。知つてゐてまた書きたくなつたので書く。いやその前に書きたくなつた切つ掛けの画像をご覧いただくのだが 焼賣である。近所の呑み屋で出してゐる。品書きには焼賣の前に円の中に"旨"の字を入れた記号が附いてゐてマ…

796 眞似出來ない豆腐

画像は[梯子どんたく~澤乃井篇]でも書いた、奥多摩は澤乃井園にある[豆らく]で出す、おぼろ豆腐御膳…の一部…といふより主役の部分。前に見たのと色みがちがふなあと思ふひとには、常用するAQUOS sense3のカメラ機能の所為だと云つておく。 (修整するのも面…

795 土曜日の焼き饂飩

先日コンビニエンス・ストアでふと目に入つた焼き饂飩を食べてみた。四百円くらゐだつたか。まづくはないが、感心もしなかつた。まづくないのは当り前で、さうでないとコンビニエンス・ストアの棚には並ばない。 食べながら不思議に思つた。 第一に焼き饂飩…

794 手を打つマカロニ・サラド

馴染みがありさうで、案外さうでもない…かも知れない食べもの順位表を作つたら、マカロニは上位に食ひ込むと思へる。わたしの場合。イタリー人とモリコーネとイーストウッドには申し訳なく感じなくもないが、きらひな食べものでもない。そこら辺でひとつ、手…

793 上手の天麩羅

過日、ちよいと一ぱいを引つ掛けた時のつき出し。 ご覧のとほりの天麩羅で、見た目はまあ、仕方がない。 天麩羅屋で呑んだのではないもの。 画像では判りにくいので云ふと、種は茄子と烏賊。 正直なところ、困つたなあと思つたのは、わたしが茄子を苦手にし…