閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

699 拡散するごはん

我われが"ごはん"と云ふ時、そこには幾つかの意味が隠れてゐる。先づ白米を炊いたの。一ばん狭い(もしくは厳密な)意味での"ごはん"と云つていい。そこにお味噌汁や焼魚、お漬物も含めた、伝統的な食事…ご膳を"ごはん"と呼ぶ場合もある。もつと広く、白米の有…

698 未だ経験せず

半世紀余り生きてきて、出前を註文したことがない。饂飩も蕎麦もラーメンもかつ丼も親子丼も、出前で運ばれるのを見たことがなくて、いや正確には、岡持ちをぶら下げた自転車やスーパー・カブを外で目にしても、それが遂に家にまでやつては來なかつた。だか…

697 おでん美田

いつだつたか。 美田とおでん。 いつになるか。 おでんに美田。

696 廉な蕎麦の樂み

画像は吉田健一風に云へば、かけに生卵と天かすをのせたやつ、である。あの旅行を好んだ批評家兼小説家兼呑み助兼喰ひしん坊は、急行列車の途中驛の停車中に、構内の立ち喰ひで蕎麦を啜つたりしたらしい。当り前に考へたら、驛の立ち喰ひ蕎麦なんて、さほど…

695 知つたこと

夕暮れ、残照の風景が好きなモチーフである。 と書いて不意に、そもそもモチーフはどんな意味かと気になつた。取急いでコトバンクを参照すると、幾つかの定義があつたので、わたしの責任で一部を端折りつつ紹介する。 https://kotobank.jp/word/%E3%83%A2%E3…

694 レインボー・ライン

いつ撮つたか忘れた、といふのは嘘で、画像の情報を確めるのを怠けたに過ぎない。随分以前なのは間違ひなく、大慌てで撮つたのは記憶にある。自然現象は油断すると直ぐに失せて仕舞ふ。その画像を加工したのがこれで、何か一文を草する積りだつた。思ひ浮ば…

693 保守的の例外

コンヴィニエンス・ストアでは食べものを殆ど買はない。 普段なら煙草と精々がライターか。 それでも偶か稀か、兎に角何ともかとも、面倒で堪らない時には便利だとも思ふ。その何ともかともは、眞夏に感じることが多くて、そんな時に冷し麺の類を買ふ。麺を…

692 残照好み

一日の中で好きな時間帯がありますかと訊かれたら、夕方と応じるのに躊躇はない。陽が落ちて、落ちきらない…薄つすらと晝があつて、夜に移らうとする残照の辺りがいい。気の早い路地では、ぽつりぽつりと灯りが点つて、何と云ふのか、自分ひとりの時間がやつ…

691 宙ヨリ來ル

宇宙人ガ襲ツテクルゾ キツト…タブン…サウヂヤアナイカナ

690 日替りを待つ

令和二年霜月。 この月は火曜日のが、出色の出來だつた。 令和三年霜月。 残念ながら日替りは、再開されてゐない。

689 お酒と摘みと呑み方と

オンラインで会議だのをする為のアプリケーションがありますな。あれとかこれとかそれとか。私的な會合にも転用が出來るから、少なからぬひとが使つてゐるのだと思ふ。わたしの場合、仕事なら止む事を得ないとして、私用ではほぼ使はない。と云ふより使ひた…

688 帰り道の提灯

麦酒を壜で一本。 春雨の酢のもの。 焼き餃子を一皿。 それから紹興酒。 考へただけですよ、ええ、ただ考へただけ。