閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

1070 GRⅢ、の話ではなく

今さら改めるまでもなく、私が主力とするカメラは、GRⅢである。デジタルカメラとしては、異例…異質の長命機。現在に到つても派生機が出るくらゐだから、最初の設計が余程に優れてゐたと云つていい。 その"最初の設計"を何に置くのかは、議論の余地があるとし…

1069 曖昧映画館~旗本退屈男

記憶に残る映画を記憶のまま、曖昧に書く。 市川右太衛門の映画主演三百本目の記念。 東映オールスターの大娯樂剣戟映画で、片岡千恵藏、大友柳太朗、月形龍之介、大河内傳次郎から、若い萬屋錦之介(当時は中村錦之助だつた)、大川橋蔵、東千代之介、里見浩…

1068 春野菜を満喫した後

野菜の前に四季の冠をつけ、一ばん旨さうに感じるのは、春であらう。瑞々しさ、新鮮さ、やはらかさと甘み、香りの高さを束ねたやうな語感が、春野菜の三文字にはあつて、その春野菜を使つたちやんぽん麺なのだから、大きに期待して註文したのであつた。 画像…

1067 品下り

過日の夜、焼酎ハイを弓手のお摘み。 一ばん奥手にはミンチカツ。 挽き肉を小判叉は俵の形に纏め、衣を附けて、コロッケのやうに揚げると出來上がる。本來を考へると、随分と手間だらうに、意外と廉に食べられて有難い。 ウスターソースを、たつぷりかけて、…

1066 GRⅢ、派生機に就て

考へてみると、GRⅢには派生機が多い。street、dairy、それからurbanと銘打つた外観ちがひ。レンズを四十ミリに変更したGRⅢxと、更にその見た目ちがひ。叉ソフトウェアの新設だか変更だかを施したモデル(HDFと呼ぶのださうな)を出すさうで、かういふ展開が出…

1065 玉子と赤茄子

先日の夜、ふとその気になつて、某所の呑み屋街に足を延ばした。延ばすと云つても、陋屋から一驛だから、わざわざといふ距離ではない。 久し振りである。 新しい看板が幾つも並んでゐた。それだけ潰れたお店があつたことを示してゐて、何とも複雑な気分にな…

1064 捻ねもの気取り

ニコンと云へば、Fマウントである。 Fマウントと云へば、"不変"である。 令和六年の今、正しくは"であつた"と、過去形にしなくてはならないけれど。 カメラ好きの一部に、製造が(事實上)終つてから、そのカメラ(乃至マウント)にそそられる変態がゐて、念の為…

1063 GRⅢ、収め方に就て

GRⅢを持ち歩いてゐる。 f64のポーチ(といふのか)に入れ、カラビナフックでぶら下げてゐる。キャップとリスト・ストラップを附け、余裕のある収まり具合なので、その点に文句は無い。そのGRⅢ入りポーチを、何のどこにぶら下げるか。これが目下の問題…訂正、課…

1062 發見

お摘みに迷ふ夜には 串焼きの盛合せをば 何とかなるものです

1061 どうぞ、こちらへ

池波正太郎の随筆を讀むと、寿司屋で呑む話が出てくる。初めての店だと、隅のテイブルに着いて 「並を一人前、それからお酒を一本、ください」 などと註文する。何度か通へば大将がきつと 「旦那、どうぞこちらへ」 カウンタへ招いてくれるさうで、何と云ふか、…

1060 現代離れ

何回か前、コシナ・フォクトレンダー銘のベッサTを話題にした。今回はベッサLを話の種にする。 ライカねぢマウント。 ファインダは無し。 測距の機構も無し。 但し露光計は内藏。 筐体はプラスチック。 要するに現代風(といつても、ベッサLが發賣されたのは…

1059 歯触り

お馴染みになつた(と自分では思つてゐる)呑み屋で、ホッピー(黑)のお供にと、久し振りに蛸の唐揚げを註文した。鶏の唐揚げも浮んだけれど、お晝がチキンカツだつたから、ここは蛸に任すのが、流れだらうと思つたのである。 この手帖で以前、蛸の味に就て触れ…

1058 リスタート

手元にはGRⅢとGRデジタルⅡ、それから三台のマイクロフォーサーズ機に四本のレンズがある。銀塩機(KマウントやEFマウント)を足すともつと増え、ひとりで持つには随分な数である。それで偶に、そのカメラ群が残らず無くなり、一から揃へるなら、何にするか知ら…

1057 好きな唄の話~カプセル

念の為に確めたら、平成四年のメジャー・デヴュー、且つ最初のシングルと知つて驚いた。女性だけで構成されたラテン・ビッグ・バンドの先駆け…といふより、令和の今に到るまで、殆ど唯一の存在ではあるまいか。 捨てられることを悟つた女が、過ぎた日々(長か…

1056 共演競演

長く續くヒーロー番組を観てゐると、前作叉は旧作の主人公が、ゲストで登場する回がある。『仮面ライダー』で一文字隼人の二號が主役になつた後の、本郷猛一號の再登場が嚆矢と記憶してゐる。それから『帰ってきたウルトラマン』のベムスター回で、ウルトラ…