閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

053 鶏の唐揚げ

腹が減つたら最良の手当ては揚げもので、揚げものと云へば、鶏の唐揚げかとんかつで、残念ながら牛肉の入る余地はない。明治の書生はビフカツを貪つたさうだが…牛鍋流行りも含めて、牛肉への禁忌感が薄かつたのだらうか。さう云へば肉食忌避と云ひながら、朝…

052 ニコンのカメラを1台撰ぶ

初めて触つたカメラはコニカだつた。 次に触つたカメラは富士フイルムだつた。 初めて買つたカメラはキヤノンで、それからリコー、コンタックスを経て、ニコンに辿り着いたのはその後だつたから、カメラ買ひの遍歴としては、些か妙だと云はれても仕方がない…

051 改元

歴史を記すのに使はれるのが紀年法で、これは大きく ①始まりがあつて、そのまま續く形式。 ②何らかの形で区切りが設けられる形式。 に分けることが出來る。前者は西暦を代表させればいいでせうね。外にヒジュラ暦や仏滅紀元暦や世界創造(!)紀元暦を挙げても…

050 卵かけごはん

予め云ふ。TKGとかいふ気色の惡い略し方をわたしは断乎として認めない。あれは莫迦が使ふ記号である。もしもさういふ言葉遣ひをするひとがゐれば、直ちに不明を恥ぢ玉へ。 予め云ふ。死を撰ぶ特権が与へられるなら、溶き卵で溺死したい程度にわたしは卵を好…

049 帰宅

日野といふ地名から『図書館戦争』を連想するひとは有川浩の愛讀者であらう。物語が始まる前に起きた“日野の惡夢”の舞台である。或は土方歳三や沖田総司の故地でもある点から、『燃えよ剣』を思ひ出すひとがゐて、はたまたトラックやバスが浮ぶひともゐるか…

048 本の話~靄の奥へと

『空海の風景』 司馬遼太郎/中公文庫 寶龜4年を西暦になほすと774年。8世紀末の生れである。今から云ふと12世紀半ほど前。承和2年…西暦835年歿。日本史で俯瞰すると、奈良から長岡を経て山城へと都が移りつつある頃で、我われの目からすれば中世が始まるかど…

047 ねばらなぬカツサンド

“とんかつ”の場合、“ ”で示した通りひらがなで表記するのがわたしの癖で、“かつ丼”も同様である。併し相手が“カツサンド”だと、すべてカタカナの方が好もしく、“かつサンド”だとどうもいただけない気がされる。ここで云ふカツサンドはとんかつのサンドウィッ…