閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

782 樂みの地図

呑み助もある程度になると、流れが出來る。流れと云うのは最初は某所Aで麦酒と串焼きを、そこから別の某所Bで葡萄酒にチーズ、最後は某所Cに移ってお酒と焚きもので〆るとか、そういうことを指す。好きな呑み屋、お馴染みの呑み屋が何軒かあるのは、人生の豊…

781 幸せな三位一体

毎度同じ話を繰返すみたい、というより、實際繰返しているのを気にせず云うと、呑むのと食べるのはわたしの場合、ほぼ一直線に結びついている。旨いものを食べたら呑みたくなるし、摘みのない酒席なぞ考えたくもない。それが人情の正しい發露だし、呑み助に…

780 一行で書け

"白身魚フライと海苔おかか弁当"とか、そんな名前だった。五百円くらい。 「白身魚のフライに海苔とおかかの弁当って、すりゃあ見れば判るさ」 と肩を竦めたくなる程度に、そのままの名附けで、コンビニエンス・ストアだけではなかろうが、安直ですなあ。尤も…

779 波の姿

お酒を呑む…ここでは日本酒を指している…以上、肴を欠かすわけにはゆかない。酒肴という素敵な熟語もあるくらいで、お酒と肴は金剛界と胎藏界のように、不二と云える…と書いたら、お大師さまの周辺から咜られるだろうか。併しうまいお酒は肴を呼び、佳い肴が…

778 機會

画像は過日、呑み仲間の女性と共にした久しぶりの酒席で註文した、紅生姜の串焼き。以前に別の呑み屋で、紅生姜の串揚げを食べたが、東都で紅生姜を使った摘みは滅多に目にしない。頼んでみない手はないと思った。出たのがこれだったから、少々驚いた。品書…

777 シヤワセのハムカツ

ハムカツは正しいんである。 これはまったき世界の眞實。 何と云っても旨いんだから。 正直、ごはんのおかずにはなりにくい。 おやつに食べるのも些か、無理がある。 併し麦酒や酎ハイの傍にあると、こんなに嬉しいお摘みも見当るまいと思えてくる。 とんか…

776 コローキアルなハム・サンド

ある朝、詰り仕事の前なんですが、家でトーストを食べるのが億劫になったので、通勤の途中にあるコンビニエンス・ストアに立ち寄ったわけです。何を食べるか数秒間迷いまして、撰んだのが二百七十円のハム・サンド。仕事場に用意された休憩所で食べたんです…

775 閃き

發祥に色々の説はあるらしいけれど、そこは触れない。わたしの印象だと、揚げた鶏肉を甘酢に漬け、タルタル・ソースを添えた料理が、チキン南蛮である。うまいですな。ごはんと一緒でいいし、麦酒にも合う。数ある鶏肉料理で番附けを作ったら、横綱大関は難…