閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧

149 花は日本の

フィレンツェにカテドラーレ・ディ・サンタ・マリア・デル・フィオーレといふ建物がある。英語だとカテドラル・オヴ・セイント・マリア・オヴ・フラワーズ。"花の聖母の大聖堂"が日本語訳で、“花の”が“聖母(この場合、“マリア”だとカタカナが浮いた感じにな…

148 徴

たれの小説だつたか、ある大人が少年に、パンとチーズを忘れてはいけないよ、と教へる場面がある。我われで云ふと、ごはんにお味噌汁、またはお漬物だらうか。尤もこのくだりで大人が云ふパンとチーズは、苦難に対する希望の徴で、本当ならパンと葡萄酒にな…

147 平成最後の甲州路 第4回

何年前だつたか。中野にある立飲み式の葡萄酒バーで、偶々隣あつた外國人と話をした。スウェーデンからの観光客だつたと思ふ。中野に來るくらゐだから、少々マニヤックな気配があつて 「おれは今日、いいものを手に入れた。見せてやらうか」 と云ふので、出…

146 用意してもらふ

その気になれば毎日でも食べられさう…詰り用意が大して面倒ではない(筈な)のに、意外と距離のある食べもののひとつに、目玉焼きを挙げたい。どうです、割りといいところを衝いては、ゐないだらうか。念の為に云ふと、まつたく作らないわけでなく、食べると旨…

145 甘い酢つぱい

わたしの目をとらへて離さない品書きはどうやら、“甘酢何々”であるらしい。白身魚や揚げ鶏の甘酢あんかけとか、文字を見るだけで、きつと鼻の孔が膨らむ思ひがされる。その連想で、酢豚や鯵の南蛮漬け、或はチキン南蛮でも、鼻孔が膨らみさうになつてくる。…

144 平成最後の甲州路 第3回

お酒と蕎麦と寫眞とカメラを愛好するニューナンブが殊の外重んじるのは打合せである。さういふのはメールなり何なりの方が、行き違ひを減らせるのではないかといふ聲も聞こえさうだが、またそれは正しい一面でもあるのだが、顔を見ながらの打合せは、互ひの…

143 今のところは

今のところ、本気ではない。 今のところ、であつて、機会に恵まれれば、本気にしていいとも思つてゐる。 ライカの話。 ここで“機会に恵まれれば本気になる”だらうライカは、自分で使ふライカの意味であつて、Ⅰ(c)の0番号なしとか、Ⅲcのルフトワッフェン・ア…

142 微妙な立ち位置

“何々定食”と呼ばれる食べ方は意外と特殊ではなからうか、と不意に思つた。ごはんにお味噌汁、お漬物、小鉢、それから主菜で構成されるあの定食の話。だつてパリでの“鴨のオレンジソース煮定食”とか、フランクフルトでの“焼きソーセイジ定食”、或はリスボン…

141 出落ち

気持ちは判らなくもないが、無茶を云つちやあいけないと、冷静を装ひたくなることが、時々…偶に…稀にある。といふところから話を進めたかつたのだが、かういふ出落ちの光景を目にして仕舞ふと、進めるも何もどうだつていいと思へてくる。 これが一体どうなる…

140 平成最後の甲州路 第2回

以下は手持ちのスマートフォン(auのシャープ製端末 SHV33)のメモ帳に入力した内容である。 ◾️甲州路計劃メモ ①勝沼メルシャン ・プレミアムツアー 14:00~15:30(土日祝) ※参考 新宿07:30發あずさ3>大月08:47経由>勝沼ぶどう郷09:10着 勝沼ぶどう郷15:44…

139 ぼんやりと思ひ出す

袋入りの即席麺といふのがある。五つがひと纏めになつて三百円とかそんな値段だから、単純計算でひとつ六十円くらゐ。カップ入りだと特賣でひとつ百円前後なのを思ふと、割安だらうか。尤もカップ麺の場合、一応具が入つて、洗ひものをしなくてもかまはない…

138 平成最後の甲州路 第1回

旅行に関はる随筆といへば矢張り、内田百閒の『阿房列車』で、この[閑文字手帖]でも何度か、或は何度も触れてゐる。同じ本を挙げるのはどうかと思ふよと、我が親愛なる讀者諸嬢諸氏からは呆れられるやも知れないが、繰返して取上げ、また推奨したくなる本が…