2018-01-01から1年間の記事一覧
川の流れは色々と複雑である。深浅速遅が入り交つてゐて、中でも浅く流れが速い箇所を“瀬”と呼ぶ。深く澱んだ箇所が対になつて、そちらは“淵”といふ。どうです、勉強になるでせう。わたしもさつき調べて判つた。“瀬”の方には泡立つやうなあはただしい語感が…
大坂には何冊か、さうでなければ何冊もカメラの本がある。寫眞集ではない。買つた当時のわたしが、どれだけ間違つた方向だつたか…いや、カメラに興味を示すこと自体は間違ひと呼びにくいから、物慾に苛まれてゐたかと云ひかへるが、さうであつたか判る。今は…
と書くのだから、大坂にゐる。何しろ實家があり、親が住んでもゐる。帰らないわけにはゆかない。その帰途がどうだつたかは、前回の[ゴー・ウエスト]に目を通してもらへればいい。 獨居自炊の東都と異なつて、めしの仕度をしなくていいのが有り難い。いやその…
12月21日、金曜日。 新宿南口の[東急ハンズ]で手帖を買ふ。高橋書店の“リシェル2”で、消費税込み1,544円。能率手帳と散々迷つて、馴染んだ方を撰んだ。 その足で歌舞伎町近くの[清瀧]まで。ニューナンブ…漢字を当て嵌めると乳軟部…の4分ノ3が集つて忘年會。…
むやみに旨いかは兎も角、平均点は高いと思へるのが東京のめしである。ここで云ふめしは食事全般を指してゐる。だから北海道式の鮭や羊、沖縄風のちやんぷるーだけでなく、中華料理や伊太利、佛蘭西、露西亞、土耳古、印度も含めた話になる。本当かどうかは…
ビフテキには昭和四十年代から五十年代にかけての“ご馳走”といつた響きを感じる。匹敵するのは鶏股肉の照焼き(骨付き)くらゐかと思へるが、鶏股肉の照焼きには“デラックス”な感じはしなかつた。矢張りビフテキの響きは一頭地を抜いてゐたと云つていい。 「す…
齢の所為ですかと訊かれたら、まあさうでせうなと応じるのに、それほどの厭惡を感じなくなつた。お刺身のことである。三十台に差し掛かるまでは、肉が正義だつた。この場合の肉は牛肉で、それも脂と相似形の意味。胃袋がそれだけ若かつたと云つていい。それ…
時々知人から、貴君のウェブログは長くて閉口すると云はれる。さうかなあと思ふ。この“さうかなあ”は可成り曖昧な“さうかなあ”で、先づ長いかなあといふのがある。それに閉口してゐる筈の知人も、長篇小説は讀んでゐるから、どうして閉口するのだらうといふ…
午睡…居眠りなのだらう。頬のふつくらした女性が、針仕事の最中、椅子に坐つたまま、眠り込んでゐる。いかにも穏やかな顔。生活の厳しさも宗教の不条理も政治の苛烈も、彼女に陰を落してゐない、幸せな居眠り。 ジャン=フランソワ・ミレーの『眠れるお針子』…
Mercianのbistroだつたり、SUNTORYのDELICA MAISONといふ葡萄酒がありますな。輸入した葡萄の果汁を使つた、えらく廉いもので、近所のドラッグストアで、720ミリリットル入りのペットボトルが300円少しで買へるんです。そんなのは概してまづいよと眉をひそめ…
寫眞は偶然である、といふ説がある。 その偶然が面白いのだ、といふ意見。 スナップを好むひとに、多いと思ふ。 与しかねるところはあるのだけれど…寫眞のテクノロジをテクニックで遊び尽した植田正治といふひとを尊敬してゐるのも理由だらうね…、偶然がなけ…
最初にざつと辞書的な定義を調べてみた。幾つかを挙げると、以下の通りになる。 ①俵形の握り飯とおかずとを詰め合わせた弁当。芝居の幕間に食べるものとして考案され、現在では最も一般的な弁当になっているもの。 ②芝居の幕間に食べたことから。 小さな俵形…
鮭の字は元々、サカナ全般だか何だかを指してゐて、あの魚は魚ヘンに生と書くのです、といふ話をどこかで讀んだ記憶がある。記憶なので間違つてゐる可能性が高いから、眞に受けない方が宜しい。魚ヘンに生の字はわたしの環境で変換出來ないから、ここからは…
◾️鮨種 はまち、鮪(赤身)、烏賊。 ◾️おでん 大根、玉子、厚揚げ。 ◾️お漬物 野沢菜、白菜、沢庵。 ◾️お味噌汁の種 溶き卵、豆腐、油揚げ。 ◾️もつ焼き はらみ、レヴァ、かしら。 ◾️水炊き(乃至寄せ鍋) 豆腐、豚肉、菠薐草。 ◾️天麩羅種 鱚、穴子、茄子。 ◾️…
北上といひ、南下といふ。東西にも上リ下リがあつて、西上東下といふ。東國の蕃族が都に行くのは西行きだからさうなつたのだらうか。その辺はよく判らない。沖縄では東を“アガリ”、西を“イリ”と呼ぶのを思ひ出した。云ふまでもなく陽の動きに即した呼び方だ…
[平成最後の甲州路]がこの稿に到るまで、番外を含めて10回。道中の[甲州路リアルタイム]は全15回。不定期の更新ながら、これだけの分量になつたのは久しぶりである。終つてから、ここまで分割しなくてもよかつたかも知れないと、後悔を感じなくもない。 「だ…
◾️勝沼ぶどうの丘 試飲篇 前半 (※を除いて白) 甲州ヌーヴォー(2018) 原茂ワイン あさやヌーボー(2018) 麻屋葡萄酒 Rubaiyat ヌーヴォ マスカット・ベーリーA(2018) ※ 丸藤葡萄酒 辛口 アジロン 新酒(2018) ※ 大泉葡萄酒 Rubaiyat デラウェア(2017) 丸藤葡萄…
起床午前7時。好天。 サッポロ黒ラベルと助六で朝めし。チェックアウト後、山梨県立美術館を目指す。バスの時間の関係で、驛前の“よっちゃばれ広場”を眺めると、ラーメンだが何だかの催しが開かれてゐた。惡くはないが、麦酒を飲めさうな気配がなかつたので…
起床午前6時半。朝めしは穴子と握り鮨。 甲府驛發午前9時38分の中央線に乗つて、勝沼ぶどう郷驛まで。到着は同10時3分。驛前にゐたえらく愛想のいい小母ちやんに教はつた道順をぶらぶら歩いて[葡萄の丘]へと。 タートヴァン…葡萄酒用の利き猪口を1,100円で購…
起床午前5時15分、空模様は判らず。 ラヂオを聴きつつ、珈琲2杯とメロンパン。 同6時40分過ぎ、家を出る。東中野驛6時55分發千葉行きで新宿驛まで。窓外は晴れ。新宿驛には同7時着。 煙草を1本吹かしてから、驛構内の[成城石井]でチーズ、[頂]で“金目鯛の西…
まるきとベルキューブで〆。 ただいまを云ふまでが、甲州路なのです。
(わたしにとつて)新宿行きあずさ號伝統の“ぎゅっとワイン”…まるき葡萄酒謹製。
スーパーあずさ22號は定刻を約3分遅れで、甲府驛を發車したのであつた。
富士は日本一の山。
好天の山梨県立美術館へ。
本日最後の試飲。 最後なのは試飲なので、念の為。
ハンバーグは正しい昼食。 “蒼龍”と一緒に平らげた。
試飲の前半。白篇終了。 我らはこれより、晝めしに入る。
勝沼は山もまた、うるはし。
我が親愛なる讀者諸嬢諸氏。 お早う御坐います。