閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

423 好事家の玩具

ニコン1といふカメラがあつた。訓みはニコン・ワン。ニコワンなどと省略されもしましたな。一インチのセンサーを採用したレンズ交換式のミラーレス・カメラで、ニコンでは"レンズ交換式アドバンストカメラ"と称した。何故だかはよく判らない。最初に上位機種…

422 旧い友人曰く

過日、旧い友人と呑んでゐて、カメラの話になつた。以前なら、どこから出たあの機種は、と新製品について、ああだかうだと云ひあつたものだが、さういふ熱狂とは縁遠くなつた小父さんふたりである。 「どうやつて、持ち出すカメラとレンズを最小限に纏めれば…

421 はしご

梯子で呑まうといふ話になつた。ニューナンブの頴娃君が多摩某所での酒席を予約したので、それに乗る趣向である。 起床五時半。 珈琲とヤマザキのロールケーキで朝めしとする。平日はこんな時間に起きるなど、ぜつたいに出來ないのに、人間の躰は不思議なも…

420 数字繋り

一ぺんだけデジタル一眼レフを買つた事がある。 オリンパスのE-420といふ機種。(所謂)標準ズーム・レンズのZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6がセットで、四万円くらゐだつたと記憶してゐる。買つた理由は大きく ・廉価だつたから。 ・宮﨑あおいが使つてゐ…

419 半分

ハーフ・サイズのカメラと云つて、直ぐにあのカメラと応じられるひとは少くなつたのではないかと思ふ。35ミリ・フヰルムを用ゐ、冩せる面積はその半分。単純に一本のフヰルムで撮影出來る枚数が倍になる。昭和卅年代だからわたしが生れる前に大流行したとい…

418 関白大根

大根はどう料つてもうまい。 鰤と焚合せて。 おでんやもつ煮の種で。 サラドに仕立ててもうまいし、もつと単純にお刺身のつまなんかもいい。大葉にくるんでもいいし、水炊きの時にしやぶつとしても、またうまい。[吉兆]の初代さんが書いた一文によると、焼き…

417 潜伏期間

ここで云ふコンタックスは、ヤシカを経て京セラのブランドになつた、フヰルム一眼レフのコンタックスである。 コンタックスとカール・ツァイスとツァイス・イコンの関係は實にややこしい。ごく大雑把に、カール・ツァイスといふ光學会社があつて、それはまた…

416 汁をかける

ごはんに何かしらを打ち掛けて食べる。といふのは大体の場合、お行儀が惡いと云はれる。例外としていいのは、お茶漬け(湯漬けや水飯も含めたい)と味噌汁掛けくらゐではないだらうか。何となく、分りますね、この気分。お椀を綺麗にしてからご馳走さまを云ふ…

415 雑誌小考

雑誌を定期的に買はなくなつて久しい。昔…と呼べるくらゐ前は、記憶を探ると 『アニメージュ』 『アニメディア』 『アニメック』 『OUT』 『ふぁんろーど』 『宇宙船』 『アサヒカメラ』 『日本カメラ』 『CAPA』 『カメラマン』 『写真工業』 『本の雑誌』 …

414 したたかポーク

豚肉の塩漬けの罐詰。 「ああ。スパムの事でせう」 と云ふひとがゐさうだが、スパムは銘柄のひとつなので(外にホーメルやチューリップがあつたと思ふ)、注意しなくてはならない。より正確にはポーク・ランチョン・ミート。十数年前に沖縄で聞いた時は単にポー…

413 夢の超特急

我われの世代にとつて"夢の超特急"と云へぱ、新幹線ひかり號である。『サイボーグ009』でも加速装置で新幹線と並走(!)する島村ジョーが、無賃乗車を気にしながら、どうにも我慢出來なくなつて、その屋根にちやつかり坐る場面があるくらゐで、鐵道史を顧みる…

412 令和二年の手帖

高橋書店の"フェルテ4(製品番號234)"…以下単純に"フェルテ"と呼ぶ…を令和二年の手帖に撰んだ。前年(平成卅一年から令和元年にかけて)は同社の"リシェル"を使つて、それよりひと廻り判型が大きい。参考までに云ふと、価格は消費税が別で千四百円。"リシェル"…

411 長閑な春

我が親愛なる讀者諸嬢諸氏に新年の御挨拶を申し上げる。 令和二年は佛さまに挨拶をしてから、お屠蘇代りのお酒を一杯にお餅を三個で始つた。 淡いろの 胃の腑に落ちる お屠蘇かな(颯風) 餅を食む 顎くひしばる 年の明け(颯風) 皆々様に佳き一年となります様。