閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

891 GRⅢ、胎動す

 未だGRⅢを使ふに到つてゐない。

 準備…最初期の設定は終つた。

 先日、ケンコー製の液晶保護フヰルム、サンディスク製のSDXCカード、それからオプテック製の手首を通すストラップを買つたから、七割くらゐは整つたと思ふ。

 それで七割かと呆れてはいけない。

 このカメラは設定を自分好みにするのが前提だから、そこを詰める作業が残つてゐる。

 GRデジタルを含む歴代機を使つた経験を持つひとはご存知の筈だが、このカメラは縦横の比率やカラーとモノクロームの撰択は勿論、絞り値、露光の補正量、その場合他諸々、かなり細かい点まで突つ込んだ設定の登録が出來る。尤も取扱説明書を見て判らない部分は少からずあるので、そこは持ち出しつつ調へねばならない。GRデジタルⅡで経験してゐるから、まつたくの手探りではないにしても、些か面倒ではある。暫くはカメラ任せに撮つて、こちらの好みと擦り合せるのが宜しからう。

 後は持ち出しに使へるケイス乃至ポーチの類が課題で、これが非常に悩ましい。大袈裟にしたくはないが、ある程度の頑丈さは慾しい。ことに前面のレンズ・バリアは脆さうだから、そこをきちんと保護出來なくてはこまる。今のところ、厚手のハンカチーフで包み、巾着袋に入れてゐて、少々心許ない。レンズ・アダプタを使ふ手法はあるけれど、大きさが犠牲になる。気に入らない。サード・パーティからレンズ・キャップが出てゐた筈なので、そちらの検討もよささうである。かうやつて徐々にGRⅢが"リコーのGRⅢ"から、"自分のGRⅢ"になつてゆくわけで、さう考へると、カリー春雨の味はひが際立つてきた。