閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

1071 GRデジタルⅡを使ふ前に

 皐月はGRデジタルⅡを使はうと決めた。GRⅢとちがふ使ひ方にするとだけ決め、先づは換算廿一ミリ(相当)になるワイド・コンヴァータを附けた。

 重くて驚いた。

 正確には、硝子の塊を無理に附け、重さの均衡が崩れた違和感で、その辺の感覚をリコーのひとは解つてゐなかつたのか、単に無頓着だつたのか。

 まあそれはいい。

 いやいいとしたら、それだと画像にちらりと映るストラップでは、甚だ心許ない。細かいことが気になるひとの為に云ふと、中古で贖つた、カシオのエクシリム(あの會社は随分と以前、デジタルカメラを造つてゐたんです)用。軟かく、手首への当りも惡くない。但しコンヴァータ附きのGRデジタルⅡ向きとも云ひにくい。

 GRⅢとGRデジタルⅡで使へるアクセサリを纏めた凾に、肩掛けが出來るストラップも片つけてゐる。型番は判らない。取り出して附け替へた。ケイスに入れるのが前提だから、縦吊りである。そのストラップには、GR DIGITALと刺繍が施してある。恰好いいとは呼びにくく…この際、野暮つたさがよささうだ、と思ふことにする。

 

 フォーマットは正方形。

 モノクローム

 露出量は三分の一か三分ノ二、マイナスに振る。

 自動露光はカメラ任せ。

 GRデジタルⅡを主に使つてゐた頃の設定を思ひだし、そのまま使はうと決めた。ある程度、條件を狭めた方が面白く、持て余しさうに感じたら、その時に考へればいい。

 何を撮るかは丸で決めてゐない。スナップ的な用ゐ方をしないのは確かである。尤もGRデジタルⅡだから、特別にこれを撮るなどは考へない。きつと草花や酒肴を普段通りに撮るだらうと思ふ。後はGRⅢを同時に持ち出さない点に、留意する必要がある。何せ私は不精ものだから、直ぐに安直な方向へと走つて仕舞ふ。