閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

1063 GRⅢ、収め方に就て

 GRⅢを持ち歩いてゐる。

 f64のポーチ(といふのか)に入れ、カラビナフックでぶら下げてゐる。キャップとリスト・ストラップを附け、余裕のある収まり具合なので、その点に文句は無い。そのGRⅢ入りポーチを、何のどこにぶら下げるか。これが目下の問題…訂正、課題になつてゐる。

 元々は腰回りに下げてゐた。惡くはないが、姿勢が崩れる感じはする。そこはまあ我慢するとしても、取り出すのが面倒なのはいけない。案外なほど、手の動きが大きいのだな。それでデイパックにぶら下げてみた。腰回りよりは格段にスムースではある。但しデイパックは年中、使ふとは限らないから、決定版になりにくい。

 となると、首乃至肩に下げられるポーチといふか、バッグといふかが、必要かも知れない。と考へたのが實用的な事情なのは確かだけれど、物慾の面があるのも否定はしない。

 物慾の面はさて措き、では何を買へばいいのか。

 ほんの一瞬、ウェイスト・ポーチが浮んだが、それだと腰回りに下げるのと変るまい。いや手前に動かせる分、多少はましだらうか。或はごく小振りの、GRⅢ、煙草とライターと小錢入れ、ペンとメモ帖、手巾とティッシュが収まるショルダー・バッグも…いやその大きさでよければ、手元の一澤や犬印、キプリングに容れれば済む。詰らない。

 そんならGRⅢを含めて、日乗に使へるトート・バッグの方が好もしいかも知れない。さういふバッグが手元から無くなつて、少々こまつてもゐる事情もある。(帆)布製。撥水加工を施してあれば嬉しい。肩掛けの出來るストラップ附き。外内に複数のポケット。底板入り。鋲が打つてあつて、自立する程度に堅いのが望ましいけれど、余りがつちりしてゐるとと、バッグ自体が重くなる。重いのは遠慮したい。

 いや待たう、基を忘れてはいけない。

 ここで云ふ基は、GRⅢを取り出し易く持ち歩く手段で、煙草だの手巾だのは、横に措いてかまはない。GRⅢ周りに限るなら、本体と予備の電池。後はフード(取りつけの為のアダプタも含めて)が収まれば十分である。さうすると函型のウェイスト・バッグ…但し肩掛けでも使へさうなやつ…が候補に浮上してくる。候補と云つたつて、形状の話だから、具体的に何を手に入れるかは決つてゐない。併しさういふ小さなバッグに収めたGRⅢを持つて、ふらふら散歩してから、一ぱいか二杯、引つかけるのは、惡くない午后の過し方だし、それは叉、GRⅢを使ふ基であるとも思はれる。