閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

894 GRⅢ、完成に近づく

 GRⅢはレンズの前面にバリアを内藏してゐる。GRデジタルの頃は、そこから埃が混入するのと、開閉に問題が起り易い難点があつた。發表当時のCP+でリコーのひとに訊いたところ、事象は把握してゐて

 「改善してゐます」

力強い回答を得たから、GRⅢでは(完璧かどうかは兎も角)解消したと考へていい。

 尤もバリアの部分が脆さうに見えるのは事實であり、實際に脆いだらうとも思へる。頑丈なケイスに入れれば解決するのは判るが(GRデジタルⅡはリコー製のケイスに入れてあるから、その心配はない)、今のところGRⅢはハンカチーフに包んである。なのでその脆さを気にせざるを得ない。

 調べるとサード・パーティ製のキャップがあつた。三千円足らず。ごく簡単に押し込む式のやつ。買つた。内側に滑り止めが貼つてあつて、嵌めると思ひのほかしつかり止まる。莫迦ばかしいくらゐ単純だけれど、外れ易いリング(アダプタを附ける為である)も含めて覆ふのは有難い。麗々しくGRと刻印してゐるのは感心しないとして、取り附けた姿は惡くないし、ハンカチーフに包んで持ち歩くには具合がいい。ケイスを新調しても保護がしつかりするのだ。問題は無い。

 中々、宜しい。

 ヱビスのNewOriginを味はひながら、GRⅢが更に完成へと近づいたと思つた。