八月念一日(土)
副反応がどうなるか解らないし、何が必要になるかも判然としないまま、スポーツ・ドリンクと飲むゼリーを買ふ。
即席のソップは買置きあり。
軟かくて甘い麺麭、おにぎり、レトルトのお粥やカップ麺の類もあつた方がよささうに思つたが、そつちは明日か接種当日の帰りに買はう。
ファイザーとモデルナは混ぜるな危険、モデルナ接種をキャンセルしたらモデルナ棄権、といふ駄洒落が浮んだ。
…面白くも何ともない。
八月念二日(日)
朝に天気予報を見ると颱風がどうかうと云つてゐて、うんざりしつつ予約の変更をちらりと考へる。
買物。お粥。飲むゼリーを追加。即席のお味噌汁。
帰る途中、持帰り専門の寿司屋が出來てゐるのに気が附いた。助六や散らしがあれば頼れる。
帰宅して買つたものを冷藏庫に入れながら、アイスクリームやかき氷みたいのを買つてもよかつたかと思つた。
改めて天気予報を見ると、明日は非常に微妙な空模様らしいので、再びうんざりする。
八月念三日(月)
体温平熱。
會場、即ち都庁に行く。
地下で予約の確認、書類の確認。
エレベータで四十五階まで上り、予診(といつても形式的なもの)を経て接種午后四時半。
筋肉注射の筈だが、体感的には普通の注射と同じ。
長風呂、過度な運動と飲酒は控へなさいと繰り返し云はれるので、皆に云つてゐるのは解るが、おれはそんなに呑み助の顔なのかなあとも思ふ。
接種後、十五分間待機をして(この間、係員が水分を摂りませう、気分が惡いひとはその場で手を挙げてくださいと繰り返した)新宿驛まで歩く。
接種から半時間余り過ぎた時点で、幾らか鼻の利きが惡くなつた気がする。利かないのでなく、にぶくなつた感じ。
"豆腐ハンバーグと葱塩野菜添へ"(二割引だつた)といふお弁当とピーナツ・クリーム、即席のお粥を買つて帰宅。これまで買ひ込んだのも含めて、三日くらゐは篭ることになつても、大丈夫だらうと思ふ。
八月念四日(火)
起床後検温、平熱。
モデルナ・アームとか呼ばれるらしい摂取部位の腫れも見られず、前日に感じた嗅覚のにぶさも感じない(惡い意味での偽藥効果だつたか)が、時間が過ぎると副反応が出るかも知れないから、何はともあれ、様子を見るしかないと考へを改める。