閑文字手帖

馬手に盃 弓手に肴

659 接種初回~ワクチン記

八月念一日(土)

 副反応がどうなるか解らないし、何が必要になるかも判然としないまま、スポーツ・ドリンクと飲むゼリーを買ふ。

 即席のソップは買置きあり。

 軟かくて甘い麺麭、おにぎり、レトルトのお粥やカップ麺の類もあつた方がよささうに思つたが、そつちは明日か接種当日の帰りに買はう。

 ファイザーとモデルナは混ぜるな危険、モデルナ接種をキャンセルしたらモデルナ棄権、といふ駄洒落が浮んだ。

 …面白くも何ともない。

八月念二日(日)

 朝に天気予報を見ると颱風がどうかうと云つてゐて、うんざりしつつ予約の変更をちらりと考へる。

 買物。お粥。飲むゼリーを追加。即席のお味噌汁。

 帰る途中、持帰り専門の寿司屋が出來てゐるのに気が附いた。助六や散らしがあれば頼れる。

 帰宅して買つたものを冷藏庫に入れながら、アイスクリームやかき氷みたいのを買つてもよかつたかと思つた。

 改めて天気予報を見ると、明日は非常に微妙な空模様らしいので、再びうんざりする。

八月念三日(月)

 体温平熱。

 會場、即ち都庁に行く。

 地下で予約の確認、書類の確認。

 エレベータで四十五階まで上り、予診(といつても形式的なもの)を経て接種午后四時半。

 筋肉注射の筈だが、体感的には普通の注射と同じ。

 長風呂、過度な運動と飲酒は控へなさいと繰り返し云はれるので、皆に云つてゐるのは解るが、おれはそんなに呑み助の顔なのかなあとも思ふ。

 接種後、十五分間待機をして(この間、係員が水分を摂りませう、気分が惡いひとはその場で手を挙げてくださいと繰り返した)新宿驛まで歩く。

 接種から半時間余り過ぎた時点で、幾らか鼻の利きが惡くなつた気がする。利かないのでなく、にぶくなつた感じ。

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 "豆腐ハンバーグと葱塩野菜添へ"(二割引だつた)といふお弁当とピーナツ・クリーム、即席のお粥を買つて帰宅。これまで買ひ込んだのも含めて、三日くらゐは篭ることになつても、大丈夫だらうと思ふ。

八月念四日(火)

 起床後検温、平熱。

 モデルナ・アームとか呼ばれるらしい摂取部位の腫れも見られず、前日に感じた嗅覚のにぶさも感じない(惡い意味での偽藥効果だつたか)が、時間が過ぎると副反応が出るかも知れないから、何はともあれ、様子を見るしかないと考へを改める。