『カメラバカにつける薬2』
飯田ともき/インプレス
二年前の[本の話]で取りあげた漫画の第二巻…正確には二冊目のカルテである。
續篇ではない。どうも作者は二巻が出ると思つてゐなかつた(第一巻に"1"が入つてゐないのは、さういふ理由)らしいけれど、私は二年前の時点でかう書いてある。
…引用ココカラ
今後きつと第二巻の企劃も進むだらうから、その日の為に幾つか註文を附けておく。
・連載版をそのまま残してもらひたい。
・掲載時期の新機種などの話題を入れてもらひたい。
・デジカメWatch版、ことにシリーズ形式になつたのを再掲させれば、なほ望ましい。
…引用ココマデ
詰り"2"が出版されるだらうと予見してゐたわけです。大したものでせう、えへん。
發賣当日に贖つたのは、云ふまでもない、えへん。
第二巻の樂みは上に引いた三点が、實際どうだつたかといふ点。第一に聯載当時そのままの再掲ではなかつた。[デジカメWatch]掲載の初回から、一年分を纏め、細かな修正を施してあつた。Web版はアーカイヴがあるから、そつちを御覧なさいといふことか。
第二の点は、欄外に"副音聲"と称したコメントで、ある程度カヴァしてあつた。駒に目を集中しにくく、ここは些か残念。権利関係はよく判らないが、別頁に当時の新製品ニューズを印刷出來なかつたかなあ。
第三に就ては、おほむね満足。ことに第七話、"この世界の片隅へ"は、掲載時からの気に入りで、医者どのの
「手ブレ補正のいいカメラか、広角で割り切るか」
「でも私は両目で見ておきたいかな…」
のくだりは、改めて大好きな場面だと強調しておく。
それで当時を思ひだしつつ、じつくり讀み進めると、シグマの教祖やワルプルギスの怪人、患者氏の奥さん(!)と、記憶の薄れてゐたキャラクタが次々に顔を見せて、何だか嬉しくなつた。再掲載(修正あり)の単行本には、思ひ出す樂みと喜びがあるのだな。
ところで"カメラバカ"はパラレル化が進行してゐて、令和四年から、ペンタックスの公式サイトのバージョンがある。かうなると、來るべき第三巻では、コラボレイションが實現しまいかと考へてしまふ。もうひとつ、[デジカメWatch]版で予告されつつ、始りの気配が見えない"K 刻を超えて"を描下して(いや聯載を優先してかまひません)もらへれば、と願つてゐる。