2025-01-01から1年間の記事一覧
好き勝手を吹いてゐたら、やつと廿四日になつた。前回はこの日に到る裏事情…背景のやうなものだから、讀みとばしてゐたつて、かまひません。 もう、大坂にゐるんである。 予定通りに入線した第三百七十九のぞみ號の、我が指定席に坐つて、東京驛の構内もプラ…
もう、大坂にゐる。 霜月廿三日。 大坂の旧いふるい友人であるエヌに、例の如く西上すると報す。返信に曰く 互ヒニ先ヅ年内ヲバ生キ延ブルベシ。 まことに尤も。双方健やかに生き延びねば、乾盃もままならぬ。 師走初二。 西上を同廿四日と決め、東海道新幹…
昭和六十年…バースと掛布と岡田を擁した阪神タイガースが、廣岡達朗率ゐる西武ライオンズを倒し、日本シリーズを制した年の怪獸映画。日本シリーズは兎も角、きつと多くの(もしかすると殆どの)讀者諸嬢諸氏は、この一本を知らないと思ふ。何しろ朝鮮民主主義…
東都ではとんと見掛けた記憶が無い。関西…近畿…大坂のお惣菜なのかと思ふ。紅生姜の天麩羅。ぺろんとしたやつを、ぺろんとしたまま揚げ、天つゆに浸して食べる。或は饂飩の種ものにする。旨いかまづいかと訊かれたら、まづくはないけれど、我が食卓に欠かせ…
“西へ”帰る日、その荷物にカメラが含まれるのは、私にとつてまあ、当然である。實際に撮るかは別として、持つてゐなければ、撮りたいと思つても撮れない。だから持ち帰る。尤も心筋梗塞からこつち、殆ど撮つてゐない…スマートフォンを使つたのは数に含めない…
尊敬する内田百閒は、お酒…日本酒が大の好物で、それも樽より(確か菊正)壜を好んだ。あのひとは毎晩の食卓にお酒を欠かさず、その味が一定であることを喜んださうで、一ぺん、灘か伏見かの樽を送つてもらつたのはいいが、美味すぎて口に適はず、結局は料理酒…
以前ちよつと気になり、ちよつとだつたから、記憶から抜け落ちてゐたお店の看板が目に入つた。かういふのはいけない。仕方が無い。目に入り序でと、中にも入ることにした。かういふのは、もつといけない。 註文は見ての通り、串の盛合せ。但し鶏でも豚でもな…
この手帖で書いてゐるのは、身辺の他愛もない話で、それ以上でも以下でもない。文章を商賣にしてゐないから、許してもらへる態度だと思ふ。尤も他愛ないからと云つて、何もかも正直に書いてゐる、とは限らない。 尊敬する文章の大先達が、内田百閒、吉田健一…
玉葱はどうしたつて旨い。 生を水に晒して、削り節を振りまき、醤油を垂らすだけで酒菜になるし、塩胡椒でざつと炒めてよく、何ならもつと単純に、丸ごと煮るのもいい。カレーの下味は勿論、お味噌汁やソップの種だの、サラドの一員だのにも欠かすわけにはゆ…
師走に入つた。”西へ”上る予定を立てねばならない。 東海道新幹線は時期によつて、通常期、閑散期、繁忙期、更に最繁忙期と、運賃が変動する。従つて(最)繁忙期…今回の年末年始で云へば、師走廿六日から、睦月の四日の十日間…は避ける。混雑する時期、運賃を…
師走になると手帖が気になる。 毎年の恒例と云へる慾である。 この何年かは、高橋書店のリシェルを贖ふのが常だつたが、少し事情…気分が変つた。 その事情乃至気分をごく簡単に云ふなら、皐月に心筋梗塞を起したのが大きい。以降ちよつとした外出なら兎も角…
もつ鍋を食べたことがない。 臓物の煮込みや串焼きは大の好物だし、韮葱…五蘊は人生に欠かせない。鍋料理だつて、私の冬の何割かを占めてもゐるのに、そのすべてが纏つたもつ鍋に縁が無いのは、我がことながら不思議に思ふ。 博多人の食べもの、といふ印象が…
前月の廿一日は心臓の検診日だつた。 晴れ、寒風、予約は午前十一時。 普段は地下鐵の高田馬場を経由し、山手線に乗り継ぐのだが、この日は早めに陋屋を出て、中央総武緩行線の大久保驛から歩くことにした。特段の理由や事情があつてではない。 新大久保驛の…
呑み屋の品書きに見る酒菜が、どれもこれも旨さうに感じられるのは、呑み助に共通する癖だと思ふ。何やらの昆布〆とか、何とかの燻製サラドとか、冷静でゐられるわけがない。我われがうつかり呑み過してしまふ主な原因に、品書きの誘惑を挙げて、異論が出る…
某日、晝。 不意に立喰ひ蕎麦を啜りたくなつた。 それも五百円以下が望ましく思つた。 何故さうなつたのかは判らないけれど、かういふのを我慢するのは六つかしい。 浮んだのは春菊の天麩羅蕎麦。 春菊の天麩羅が浮んだ理由も、よく判らない。繰返すと不意な…
終日閉門の休日は、陋屋でラヂオを流し續ける。 NHKラジオ第一、文化放送、TBSラジオ、LuckyFMにBAYFM78辺りを、曜日と時間帯…私の休みには平日も含まれる…で切替へる。ただランダムに聴いてゐた筈が、いつの間にやら、聴くプログラムの順序が決つてきて、何…
テレビジョン…正確に云へば、テレビ放送を受信出來る機械が、陋屋には無い。巷間のニューズは、radikoといつた、サイマルラジオの経由で、特段に不便はない。元々ドラマだのバラエティだのを観る習慣を持たなかつたから、余計にさうなのだらう。 但しテレビ…
寒くなるとうまくなる食べものは様々あるけれど、意外に見過されるのは、お漬けものではないだらうか。マーケットでごく当り前に見掛けるお漬けものも、窓外に寒風の吹く夜に摘むと、何と云ふか、兎に角うまい。あんなのはいつ採つたか判らないんだから、夏…
いつ讀んだか、記憶からすつぱり抜け落ちてゐるし、本そのものも手元に無いんだが、村上春樹のエセーに、豆腐が主食と書いてあつた…記憶がある。どこやらの豆腐を摘んだら、あまりに美味しくて、醤油も何もつけずに平らげたとかそんな話。当時の私には、豆腐…
農林水産省の、[にっぽん伝統食図鑑]で、薩摩揚げに就て見ると 分類(大):水産 分類(小):練り物 なのださうで(URLは以下の通り)、事情は察する他にないとしても、何と云へばいいのか、愛想が無いなあと、息を吐きたくなる。 https://www.maff.go.jp/j/keika…
現代に繫がるライカ…Мバヨネットマウント…の直接的な御先祖は、ライカМ2である。バヨネットライカの第一號機がМ3なのは、云ふまでもないとして、あの機種は遂に、後継ぎを持たず、持てぬまま終息した。 バヨネット以前、ねぢマウントライカの掉尾を飾つたの…
出されたら嬉しいし、美味しいとも思ふけれど、自分から進んで食べないメニュの筆頭に、オムライスを挙げたら、愛好の讀者諸嬢諸氏から咤られるだらうか。併し私の場合、實際さうなのだから仕方が無い。 何の弾みだつたか、オムライスの有名な洋食屋の店主が…
正直に云つて、マイクロフォーサーズ規格のことを、忘れかけてゐたのだ。何しろパナソニックは、Lマウント・アライアンスに夢中なのだらう、半ば沈黙したままだし、オリンパス…訂正、OMデジタルソリューションズは、OM-3や同5MarkⅡといつた、感心出來ないス…
烏賊の天麩羅には長く御無沙汰をしてゐる。わかい胃袋の讀者諸嬢諸氏にとつては、天麩羅のお品書きを見ても、きつと目に入るまい。尤も打ち割つて云ふと、天麩羅にすると、烏賊そのものは旨くなくなると思ふ。烏賊としか云へないあの舌触り、甘みを樂むなら…
はてなブログでは、アクセスの推移…どこから、どの一篇が讀まれてゐるかを、大雑把に摑める。私が使つてゐるのは無料版だから、あくまでも大摑みではある。尤も詳細が判つたところで、分析して、対策を立てるわけでもない。職業的に文章を書く立場でなくてよ…
ビーフシチューを初めて食べたのは、千葉県は市川市の洋食屋、平成元年の遅くとも初夏だつた。何故ここまではつきり記憶にあるかと云へば、私はこの年、初めて職に就き、春から初めてひとり暮しをしたからで、かういふ時の初めての経験は、どうも忘れ難いら…
陋屋の近所…歩いて五分も掛からないところに、呑み屋が出來た。定食屋、カレー屋、唐揚げ屋と、お店がくるくる変つた場所なので、開店準備を始めた頃から、大丈夫か知らと思つてゐ゙た。大通りに面してゐるのに、お店が次々入れ替るのは、住宅地にごく近く、…
鯖には料り方が幾つもある。 塩焼き。 味噌煮。 酢〆。 竜田揚げ。 一夜干し。 ごく新鮮ならお刺身。 トルコでは、サンドウィッチにするさうで、きつとうまからうが、我われの鯖料理なら、塩焼きと味噌煮が双璧、両巨頭と断じて、咤られる心配はなからう。 …
漢字のお餅より、ひらがなで、おもちと書く方が、美味しさうな気がする。英語表現なら、omochi で済むことを思へば、日本語のややこしさだねえ。 表記はさて措き…この稿では“おもち”を主とします…、歴史を遡ると、例の如く、曖昧模糊とした時代に辿り着いて…
『荷風随筆集(上)(下)』 永井荷風/編 野口冨士男/岩波文庫 長短織り交ぜ、上下巻あはせて卅余篇が収められてゐる。文語体は歴史的仮名遣ひなのに、口語文は現代仮名遣ひに変換するといふ、莫迦げた…少くとも理解にくるしむ方針の所為で、讀みながら何度も目…