画像はiida G11…auが出してゐた、(所謂)ガラケー。私が最後に使つた3G端末。当然のことだが、ケータイとしては使へない。Sony Ericsson社…曾てかういふ會社が、あつたのですよ…製。發賣は平成廿三年。たつた十三年前と判つた今、少々驚いてゐる。
iidaといふ奇妙な名前は、auだかKDDIだかの本社が、飯田橋にあつたのに因む、といふ説がある。公式には、さうでないことになつてゐるが、そんな筈はあるまい。令和の現在、iidaは了つてゐるから、今さら詮索したつて仕方ない。
CDMA WIN機は、最初に出たHITACHIを除き、CASIOの端末…さういへば両社共、携帯端末から撤退して久しい…を主に使ひ續けてきた。それらは当時の主流である二ツ折りだつたが、G11ではスライドする筐体を採つてゐる。キーや各種のボタンは、開いて使ふが、閉ぢたままでも、タッチ式のボタンで、多少の操作が出來る。
二ツ折りよりやや狭い程度の画面サイズを確保しつつ、閉ぢると、コンパクトになるのが好もしい。但しそのコンパクトは、画面や操作するパーツの小ささと引きかへである。十三年後のスマートフォンのパネルに馴れた目で、改めて使ひたいかと訊かれたら、正直、首を傾げるけれど、今の目でもぱつと見は惡くないと思ふ。
予約して入手した。幾らになるか判らなかつたから、高額に過ぎれば、キャンセルする條件をつけたが、そこは折り合ひがついた。さうまでしたのは、今に到るまで、この一台だけだから、当時よほど気に入つたらしい。尤もそれは、見た目に限つたことだつたのは、間違ひない。曖昧に云ふとこの時期、ケータイの機能は、そろそろ飽和状態に陥つてゐた筈だから、そちらは目を瞑つて、支障のない背景もあつた。
振り返ればG11は、私のコンパクト好み、タイト好みの顕れだつたんだらう、と思ふ。かういふスタイリングの骨組みを使つた、コンパクトでタイトなスマートフォンが出ないものか、時々考へるけれど、イチから設計して、造つてゆくのは、無理がありすぎる。十三年といふ時間は、私が思ふよりずつと、長いものであるらしい。